株式会社オガノ

〒564-0052
大阪府吹田市広芝町6番1号
TEL 06-6386-1521
FAX 06-6386-1520
社 長  小賀野 哲朗

-オガノさんの歴史をおしえてください-

 私の祖父である小賀野眞一が創業者です。祖父は徳島から大阪に出て当時の檀浦護謨商会で10年ほどお世話になったのち昭和13年(1938年)に独立し、北区旅篭町において小賀野ゴム商店を創業しました。工業用ゴム製品の販売を開始し、やがて旧満州・台湾・朝鮮にも販路を拡大したとのことです。昭和20年6月大阪大空襲で社屋は焼失したものの翌21年北区梅ヶ枝町に再建し昭和23年には法人組織に改組、小賀野ゴム株式会社を設立しました。その後神奈川県藤沢市や栃木県佐野市、広島市に順次営業所を展開しました。オイルショックなどいくつものハードルを越えて昭和60年取扱商品多様化などにより社名を現在の株式会社オガノに変更しました。2代目社長は祖父眞一の長男である小賀野恵一が務めました。恵一は社長在職年数が一番長く、西部ゴム商組での組合活動も積極的に行っていたようで平成4年から2期副理事長を仰せつかったようです。しかし、恵一も高齢となりまた子供もいなかったため弟である私の父 小賀野宗弘が50代後半に3代目 を引き継ぐことになりました。父 宗弘はそれまでゴム業界とは畑違いの土木建築の設計事務所で長年 橋などの設計に携わっていました。一方、私は社業を継ぐという明確な意識もないまま父と同じ大学で通信工学を勉強し大学院卒業後は希望していた通信関係の会社で働いていました。しかし平成24年自分の置かれた立場に覚悟を決めオガノに入社しました。社員も皆快く迎えてくれ平成28年7月37才で4代目の社長に就任しました。そしてその翌年病気で父 宗弘が他界しました。私が入社した当時、以前から積極的に営業展開していた自動車の車載部品取引が大きく成長し、結果売り上げが倍増するなど恵まれたスタートをきることができました。

-社是・基本方針などを聞かせてください-

 社是というより経営理念〔自覚・責任・理想〕を文章化したものはあります。その内容にも関連するのですが、オガノは商社なのでメーカーに寄り過ぎてもダメですし、ユーザーに寄り過ぎてもダメだと私は考えています。より良いものを供給するためにそのバランスをしっかりとった対応を普段から社員一同心掛けています。商社としての「存在理由」をはっきり自覚し、単なる右から左への仕事をしないをモットーにしています。

-いま注力されている商品或いは分野などについて聞かせてください-

 ゴム製品や樹脂製品はコスト面、拡販面で大きな成長は難しいです。ホース類は特装自動車向け(ダンプカー、ゴミ収集車、コンクリートポンプ車等)が多く、従来からの継続的な取引が主となっています。一方、注力している分野は加飾部品です、プラスチックにメッキを施した高級感のある部品で日本車や外車などの高級車に多く採用されています。自動車以外の分野にも需要が増えつつあり、今では当社の主力製品の一つとなっています。

-会社自慢・社員自慢をしてください―

樹脂加工によりパッキンなしで防水(止水)を可能にする構造設計でオガノとして初めて特許を取得しました。ゴム屋がパッキンいらずのアイデアを考えるのは何とも変な話ですが、この技術をどのように生かし営業に結び付けられるかが楽しみです。今後、デザインから構造設計そしてそれを形にして提供する或いはアッセンブリーするといったオガノ独自の営業形態を構築できれば営業ツールとしてアピールできると考えています。

-新型コロナウイルス感染症への対応についてお聞かせください-

緊急事態宣言そして自粛要請、さらに三密の回避などに対応する為に、電車通勤は原則禁止し、全従業員車での出退勤と時差出勤の実施をしました。事務作業なども隣との距離を十分に取ったり、会議室を臨時に使用したりしました。今回の新型コロナウイルス感染症蔓延以前からテレビ会議などを行うなどテレワークの体制もとれていたのでその点はスムーズに対応できました。私は、ここ数ヶ月出張はもちろんの事、打合せや会議など軒並み中止で全くの巣籠状態でした。かなりストレスが溜まりました。

-社長の趣味についてお聞かせください-

ジャンルを問わずスポーツ観戦それもライブ放送での観戦が大好きです。イチロー選手や大谷選手の大記録がかかった時の試合や、日本中を沸騰させた2019ワールドカップラグビーの南アフリカ戦など、歴史的瞬間に立ち会えた時の感激を味わえるのが嬉しいのです、録画やニュース映像ではダメです。ただ自分で何かスポーツをするかと言えば昔からこれと言ってありません、新型コロナが収まればまたゴルフを始めようかとは思います。

(株)オガノさんを訪問して
好きな通信業界の道を断念し創業者の直系として社業を継ぐ決心をされたとの事。あまたあるゴム製品、樹脂製品の商社のなか今後どのような成長戦略を立て会社を導いていかれるのか、理系出身の左脳的思考と感動を共有することのできる熱い心、それに何にもかえ難い若さをそなえた小賀野社長にエールです。今後益々のご発展を祈念しております。
(事務局 三島通弘)