株式会社梶川商店

 〒540-0003
 大阪市中央区森ノ宮中央2丁目3番6号
 TEL 06-6942-0181
 FAX 06-6942-0800

 社長 梶川 雅市

-梶川商店の歴史を教えて下さい-

 先々代の梶川栄吉が日露戦争後の明治45年に谷町4丁目で馬具などの軍需物資を扱う商店を起こしたのが始まりです。当初は皮ベルトなども自社で製造販売していました。
昭和7年三ツ星調帯(現三ツ星ベルト)と代理店契約を結び、本格的に平ベルトを扱うようになりました。その後昭和18年に國松が2代目を継ぎ、昭和25年8月に株式会社に改組しました。國松は三ツ星ベルトだけでなく同時に扱うのは難しいと思われたブリヂストンとの代理店契約にも奔走、昭和41年に代理店契約を締結して、精力的にベルト販売に力を注ぎました。
今でも三ツ星ベルトとブリヂストン両方の代理店をしているのは全国でも当社だけだと思います。
また國松は仕事に関しては厳しい面がありましたが、教育に熱心で、社員を夜間学校に通わせていました。残業で学校に遅れそうになると自ら車を運転して学校まで送り届けたりもしていました。
國松には子供がいなかった為、昭和27年に義理の甥である私が養子に入り、昭和64年に國松から3代目を継ぎ現在に至っています。
バブル崩壊の苦しい時期を乗り越え、ゴム・樹脂の工業用資材・加工製品等あらゆるニーズに応えてきました。今では一般機械工具店や金物卸小売店などお客様も約400社を数えるまでになりました。

-梶川商店さんの社是、企業方針などがあればお聞かせ下さい-

 社是は「 感謝 ・ 躍進 」です。
“社員と家族の幸福はお客の繁栄から”をモットーに、客先には親身になって相談に乗る、労を惜しまず汗をかく、お客様を大切にする感謝の気持ち、社員への感謝の気持、それが強いては会社の躍進に繋がると考えています。

-いま注力されている或いは今後注力しようと考えられている商品、または分野についてお聞かせ下さい-

 扱い商品はベルト、高圧ホース、樹脂ホース、その他工業用ゴム製品で比率的にはベルトが約40%、ホースが約30%、その他30%です。今のところベルトが主力製品ですが、各メーカーが工場を海外に移転するのに伴い国内需要がどんどん減り、今後はかつてのような需要への回復は期待出来ません。そこで当社が現在、注力しているのはベルトよりも需要が見込め、且つ利益率のよい高圧ホースの加工販売です。東大阪にアッセンブリー工場をつくり受注拡大を図っており、今後も伸ばしていきたい分野です。
顧客のニーズが変貌し、多様化・複雑化していますので、新商品の開拓を行い、新規顧客の開拓にも繋げていきたいと考えています。

-会社自慢、社員自慢をして下さい-

 先代は、人を信用して商売をする、という誠実な人でした。そのおかげで沢山倒産に引っ掛かったりもしました。仕入れに困っているというので、助けるつもりで商品を渡すと、翌日には当時日本橋にあった五階百貨店にその商品が並んでいた、ということもあったようです。
しかし、人を信用しつづけ、困ったときに手を差し伸べてきたことが今の当社の信用に繋がっていると思います。
また取引先の倒産に合って酷い目に合った時でも弊社の取引先には一切迷惑はかけていない、というのも自慢と言えば自慢かもしれませんね。

-社長のご趣味をお聞かせください-

 ジャズ、特にデキシーランドジャズが大好きです。昔はオーディオにも凝って自宅でスイングジャズやモダンジャズをよく聴いていたのですが、その後しばらく間をおいて、今は毎週土曜日に北区のお初天神の近くの行きつけの店でデキシーランドジャズの生演奏を聴くのを楽しみにしています。最近は家内がはまってしまい二人で出かける事もよくあります。引退後はアメリカニューオリンズに本場のデキシーランドジャズを聴きに行くのを楽しみにしています。

株式会社梶川商店さんを訪問して

森ノ宮駅から徒歩3分程にある本社ビルの2階の社長室に案内された。使い込んだ木製の机や大きな収納棚、何より戦前の物と思われる年代物の立派な金庫が目に飛び込んできた。あとで聞けばその金庫は先々代の創業者から使われており今も現役とのことである。さすが創業102年の老舗企業ならではの趣である。インタビューを進めていくうちに社長の温かい人柄に触れ、人との信頼関係を第一に誠意で顧客と接する会社の姿勢を知り商売の原点を見たように思います。
近々、御子息にバトンを渡されると事ですが、これからも益々のご発展をお祈りしております。お忙しいなか時間をさいて頂きありがとうございました。

事務局 三島通弘